ディスレクシアって?


ディスレクシアとは、知的に問題はないものの読み書きの能力に著しい困難を持つ症状を言います。
充分な教育の機会があり、視覚・聴覚の器官の異常が無いにも関わらず症状が現れた場合に称します。

音韻の処理が困難である

人は耳から音を聞いて口で真似て、それを認めてもらいながら意味とつなげて言語を習得してきます。母語の習得の第一臨界期は8ヵ月といわれています。また次の臨界期は9歳ごろとなっています。


ディスレクシアの主症状である文字と音を結びつけ操作する力は、後天的に脳のいろいろな部位をつなげながら学んでいきます。気づきはその分他の発達障害と比べ遅くなります。
読むためには文字を認識し、音と結び付け、いくつかの文字のつながりで単語として認識し、理解することが求められます。これがスムーズにできないと、たどたどしい、読み間違える、音読すると意味が分からないなどの症状が出ます。
書くためにはまた別の能力が求められます。書き写す、場所を移す、考えを書き記す、言われたことを書くというのでも違う能力が求められます。言われたことを書くのが一番大変かもしれません。耳から入った音を文字に変換して(特に日本語では漢字を想起しなくてはなりません)指先に「書け」と指令を出してやっと書けるのです。

その上聴覚認知や視覚認知の問題があるとますますややこしくなります。読み書きは困難であっても読解はできるのがディスレクシアの特徴です。

一般的な特徴


  • 読み書きの困難があります
  • 日本でも人口の5%から8%はいます。欧米では10%から15%と言われています。
  • ぜんぜん読めないのではなく、スピード、正確さと流暢さに問題があります
  • LD(learning disabilities-学習障害)というよりは学習の違い(learning difference)とエッジでは捉えています
  • 音と記号である文字をつなげ操作する能力(音韻認識)が弱いです。
  • 記号である文字の形や構成している部分を正しく認識できません。
  • 読みだけではなく、書く時も困難さがあります
  • 聴覚認知や視覚認知の問題がある場合もあります
  • ディス(dys)はギリシャ語の「困難」「欠如」という意味、lexiaは「読む」という意味です。
  • 脳科学、DNA分析などで解明されてきていることもあります

例えば

ディスレクシアの人の見え方はさまざまです。本人たちに言わせると文字が躍る、動く、かすれるなどと表現します。
  • 一例として下図のように感じられます。

    通常の見え方

    ディスレクシアの感じ方


  • 文字が上空から見た摩天楼のように目に刺さってくる。近づいた文字が遠くの文字を隠し、行も違う行に移行してしまう。色のシートを使うことで平屋になる、つまり落ち着くそうです。
  • 文字が躍る、動く、ねじれることでどこにどの文字があるかわからない。書き写そうとすると、どの文字のどこを写していたかわからなくなってしまう。


解決方法の例

  • 見やすいフォント(丸ゴシックなど)、見やすいサイズ(12ポイント-弱視用だとしばしば大きすぎる)、行間を充分に空けるなどの工夫
  • 漢字については、文字を一つずつ見せる、または4文字熟語であれば4文字熟語ごと
  • 行ごとに隠して窓を作ってみせる。
  • 色つきの透明フィルターでカバーする
  • 音声で聞かせて意味を取る
  • AT(補助的な機材を使用する
その他いろいろとあり、個人にとって最適な方法を模索します。

アセスメント

  • 読み書きについては正確には小学校4年生くらいにならないと日本語のディスレクシアははっきりとわからないことがあります
  • 中学校で英語の読み書きが入ってくると途端に困難を示す場合があります
  • 発達障害教育支援センターのページにあるようにWISC、K-ABCなどの心理検査でも傾向と対応方法がわかります

気づき

LDI-R LD 判断のための調査票

Learning Disabilities Inventory-Revised
教育現場、相談所、専門機関などでのLD判断のための資料として役立ちます。学習や行動面で気がかりな子どもがいたり、保護者から相談を受けたりしたときに利用できます。
読みと書きのスピード、流暢さ、スピード、読解力は次のアセスメントでわかります
いずれも資格がなくてもできるアセスメントです

読み書きの困難さのアセスメント

URAWSS

Understanding Reading and Writing Skills of School childrenⅡ
Understanding Reading and Writing Skills of School children English Vocabulary
著者:河野俊寛、平林ルミ、中邑賢龍
小学生~中学生  読み書きの速度を評価し学年平均と比べることができます。小中学生の読み書き速度を評価し、読み 書きが苦手な子ども達に支援技術等を活用した支援を行うために作成されました。

STRAW-R

改訂版 標準読み書きスクリーニング検査 -正確性と流暢性の評価-
著者:宇野彰、春原則子、金子真人、Taeko N. Wydell(ブルネル大学 教授)  STRAW-Rは、小学1年生から高校3年生までの音読速度を調べることのできる速読課題や、漢字の 音読年齢が算出できる漢字音読課題、中学生用の漢字単語課題などを加え改訂版として発行されました。 ひらがな、カタカナ、漢字の3種類の表記について比較できる検査で、どの表記から練習すればよいの かの指標が得られます。速読課題では文章課題を含んでおり、高校や大学入試で試験時間の延長を希望 する際の客観的資料となります。

ELC:Easy Literacy Check.

読み書き困難児のための音読・音韻処理能力簡易スクリーニング検査 著者:加藤醇子、安藤壽子、原 恵子、縄手雅彦  ディスレクシア及びその周辺の読み困難がある児童を早期に発見し、学習指導に活かすことを目的と しています。検査内容は音読検査と音韻検査の2種類あり、ソフトが録音した回答から発話時間を自動 で計測し、結果を表計算シートに書きこみます。

合理的配慮

ICTの活用(タブレット、音声化、大きさを変える、キーボード入力、音声入力、記録など)

試験や評価でもこれらの合理的な配慮を行ったうえで評価をしてください
(PC使用、読みあげ、代書、口頭試問、意図が伝わればいいなど多岐にわたります)

  • 見やすいフォント(丸ゴシックなど)、見やすいサイズ(12ポイント程度、弱視用だとしばしば大きすぎる)、行間を充分に空けるなどの工夫
  • 色のシート、枠を設ける
  • 音声で補助する
  • 特別支援教育支援員の活用
  • 静かな環境
  • 試験では時間延長を行ったりします。

エッジの取り組み

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ディスレクシアについてのパンフレットを作成しました。画像をクリックしてPDFをご覧ください。