ディスレクシアって?

発達性ディスレクシア(Dyslexia)とは

ディスレクシアとは、知的に問題はないものの読み書きの能力に著しい困難を持つ症状を言います。
充分な教育の機会があり、視覚・聴覚の器官の異常が無いにも関わらず症状が現れた場合に称します。
大脳の仕組みによってそのような症状が出ると考えられています。

小学校に入ってからでないとはっきりわからない、ひらがな、カタカナそして漢字と学習が進んで行く中で、困難さが顕著になる場合や、英語の学習が始まってから、大学に進んでから困難さが顕著に出ることもあります。

読み書きが困難だと疲れやすく、自信を失いがちになり、対応を怠ると学習の遅れだけではなく、心身の不調につながることがあります。
現在ではICTの発達やいろいろな方法で補うことにより、文字を読んで手書きするということがすらすらと正確にできなくても、以前と比べるとそれほど大きな問題ではなくなってきています。

発達性ディスレクシアの定義
学習障害とは

学習障害(限局性学習症、LD)には、教育的な立場でのLD(Learning Disabilities)と医学的な立場でのLD(Learning Disorders)の2つの考え方があります。
最近は健常児とは異なった学習アプローチをとるという点から、Learning Differences(学び方の違い)と呼ぶ人もいます。

教育の立場では文部科学省の定義にあるとおり、全般的な知的発達に遅れはないものの聞いたり話したり、推論したりする力など学習面での広い能力の障害を指し、医学的LDは「読み書きの特異的な障害」「計算能力など算数技能の獲得における特異的な発達障害」を指すことが多いようです。
一時期、言語性LD・非言語性LDという言い方もされていましたが、現在は用いられません。学業不振がもたらされて、上記技能を必要とする日常生活を損なう段階で初めて診断されるものです。

発達性ディスレクシア

小児期に明らかになる特異的な読み書き障害は発達性ディスレクシアとして知られ、知的な遅れや視聴覚障害がなく充分な教育歴と本人の努力がみられるにもかかわらず、年齢から期待される読字能力を獲得することに困難がある状態、と定義されます。なお、通常、読み能力だけでなく書字能力も劣っています。
アルファベットのbとdやp・q・gなどを間違える、ひらがな、カタカナの似た形や角度を間違える、漢字の細部を間違えるなどです。

ディスレクシアのメカニズム

ディスレクシアの主症状である文字と音を結びつけ操作する力は、後天的に脳のいろいろな部位をつなげながら学んでいきます。気づきはその分他の発達障害と比べ遅くなります。
読むためには文字を認識し、音と結び付け、いくつかの文字のつながりで単語として認識し、理解することが求められます。これがスムーズにできないと、たどたどしい、読み間違える、音読すると意味が分からないなどの症状が出ます。

書くためにはまた別の能力が求められます。書き写す、場所を移す、考えを書き記す、言われたことを書くというのでも違う能力が求められます。言われたことを書くのが一番大変かもしれません。耳から入った音を文字に変換して(特に日本語では漢字を想起しなくてはなりません)指先に「書け」と指令を出してやっと書けるのです。

アルファベットのbとdやp・q・gの弁別や、ひらがな、カタカナの形が似ている、角度を間違える、漢字の細かい部分が認識できない、偏と旁を入れ替えるなどがあります。
ディスレクシアの人が持っている力を使って高次の読みにつなげることが大切です。

音声の回路で意味理解をする力 漢字のように文字から意味理解をする力 このことが発揮できるようにするには、印刷された文字から情報を得るだけではなく、動画や体験など多感覚(視覚、聴覚、体の動き、体験)を使ってアクセスすることによって語彙力と背景知識をつけることが大切です。

一般的な特徴
  • 読み書きの困難があります。
  • 日本でも人口の7〜8%はいます。英語圏では10%から15%と言われています。
  • ぜんぜん読めないのではなく、正確さとスピード・流暢さに問題があります。
  • LD(learning disabilities-学習障害)というよりは学習の違い(learning difference)とエッジでは捉えています。
  • 音と記号である文字をつなげ操作する能力(音韻認識)が弱いです。
  • 記号と文字の形や構成している部分を正しく認識できません。
  • 読みだけではなく、書く時も困難さがある場合がほとんどです。
  • 音韻や視覚認知、自動化の問題がある場合もあります。
  • ディス(dys)はギリシャ語の「困難」「欠如」という意味、lexiaは「読む」という意味です。
  • 脳科学、DNA分析などで解明されてきていることもあります。
  • 生まれつきです。直そうとするよりも一人一人に合った学習方法で身に着けられるよう、内容にアクセスして、理解し、考え、表出できるようにします。
そもそも読み書きとは?

低次の読みと高次の読み

読み書きには「低次の読み書き」と「高次の読み書き」があります。

低次の読み
文字を音に変換する
高次の読み
文字列を見て、その内容を理解する
低次の書き
音を文字に変換する
高次の書き
頭の中の考えを、文字列にして人に伝える

「読み」という過程は文字を音に変えて意味を理解する「低次」の過程と、文章内容を理解するという「高次」の過程があります。書きも同様に音を文字に変換するのか文章にして人に伝えるのかの違いがあります。
「低次」の読み書きの過程は多くの場合小学校低学年で習得しますが、小学校高学年以降の授業では内容理解をする「高次」の読み書きの過程へと移行します。
しかし、読み書きが困難なディスレクシアの人は「低次の読み書き」の段階で困難さがあります。
大切にしたいのは「高次の読み書き」です。
本当の意味での学習は。情報を理解し、自分の意見や考えなどを頭の中で整理して、相手にわかりやすく伝える作業です。そのための技術が「読み書き」です。

*参考:「読み書き障害(ディスレクシア)のある人へのサポート入門」河野俊寛、読書工房2022

EDGEはディスレクシアの強いミカタです。

EDGEにご相談頂き、様々なサポートを受けたり適した教育をする事により、才能が大きく花開きます。

相談/アセスメント を受けよう
一人ひとりにあった学習方法を知るにはまずは気づきが必要です。気づいたら相談をしてください。医療機関では診断を下せますが、一人一人に合った学習方法まで提案ができるところは多くありません。また、診断が出ない程度の読み書きの困難さであっても、学習上は十分に困難さがみられる場合が多いです。 そのためには読み書きの困難さの程度と分野がわかるアセスメントを受けることが大切です。 相談、アセスメントはこちら
学習方法
学習方法は一人ひとり違います。一つだけではなく、組み合わせて本来の力が発揮できるようにしましょう。成長に応じて変わります。本人が学びやすい方法を見つけ、家庭でも学校でもそのほかの学習の場で使えるようにしましょう。 見やすく、書きやすくなる、情報へのアクセス、内容理解がしやすくなる、考えをまとめる、自分の考えを表出する、伝える方法など多岐にわたります 学習方法はこちら
合理的な配慮

学校でも社会でも読み書きの困難さについて申し出があった場合「合理的な配慮」の提供の義務と差別の禁止が障害者差別解消法に明記されています。


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ディスレクシアへの指導や支援の仕方
エッジでは、読み書きに困難がある児童生徒への指導や支援の方法を学ぶe-learningコース「読み書き困難指導・支援講座」を用意しています。
支援者養成講座のページはこちら(https://www.npo edge.jp/support/yomikaki/

結果…さまざまな分野で活躍することが出来るのです。