【トピックス】心の健康ニュース-建築デザイナー・藤堂高直さん(少年写真新聞社)


出版社

  • 少年写真新聞社・心の健康ニュース
  • 2009年12月8日発行 第351号付録

タイトル

  • 【人生の先輩シリーズ 7】得意な分野の力を伸ばそう
  • 「ディスレクシアも個性の一つ」

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建築デザイナー・藤堂高直さん

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努力では身につかないこと

  • 私は幼少のころより不器用でしたが、いろいろと自分で工夫をすることで自分なりに様々なことを修得することができました。
  • しかし、逆にどんなに努力しても身につかないことが多くありました。それは暗記ものです。
  • 漢字や九九を覚えたり、校則や運動競技のルールを把握したりすることは、周りは苦労なく修得できているにもかかわらず、私には難しくて仕方がないのです。
  • 私の努力は報われず、鬱うっ屈くつした日々を過ごしていました。
  • しかし、今、考えてみると、それは私の努力が足りなかったのではなく、結局私に合った学び方を修得する場がなかったということだとわかります。
  • 教育とは、百人いればその数だけ教え方は存在し、それぞれの特性に合った学び方が存在するからです。

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英国で違和感が解消

  • 中学校を卒業した後、日本で行き詰まっていた私は、機会を得て、英国へ留学することになりました。
  • 渡英してしばらく後、私の語学力に比べて読み書きの能力が劣るということで、あるテストを受けました。
  • 結果は軽度ディスレクシア※だということでした。
  • それを聞いた時は衝撃も少しありましたが、それよりもむしろ安心しました。
  • それも小学校の時に偶然読んだ『天才たちは学校がきらいだった』(講談社刊)という本の中で、エジソンやアインシュタインが同じ困難を抱えていたということを知っていたのと、以前より持っていた「自分は他人と何か違う」という違和感が解消されたためです。
  • 以来、英国にて様々な勉強法を学び、その中から、自分にとって一番しっくりくる学び方をくみ取り応用していく中で、やがて自分の本来持っている能力を少しずつ引き出すことができるようになりました。
  • 人類が約10人に1人の割合で持つと言われるディスレクシアを、欧米では日本特有の「血液型占い」のような個性ととらえています。
  • そのため周囲の理解も深く、居心地良く過ごすことができたのです。
  • 英国に来て、生まれて初めて、様々な個性が存在し認め合う環境に触れ、これこそが真の「普通」なのだと認識するようになりました。

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自分の道を決めたきっかけ

  • 高校の時、課題で建築を研究した際、日本の著名な建築家・安藤忠雄氏に質問を書いた手紙を送りました。
  • そして「自分は人から物を聞くよりも自分で考えてきました。
  • 貴方も自分で考えて同封した本の中から答えを見つけて下さい」という内容のご返事をいただきました。
  • そのことが、そこまで自分でものを考えていないことへの反省と、建築の道へ進む決心をするきっかけとなりました。
  • 以来、恩師や数多くの友に恵まれ、成功と挫折を繰り返してきました。そして今、自分が幼少のころ、なりたいと願いながらもなれないだろうと半ばあきらめかけていた「なりたい自分」に少しずつ近づけていると感じています。
  • 未だに困難なことはたくさんありますが、自分のペースで力を最も発揮でき、認められる環境に身を置くことで、安心して社会とかかわり、新しい世界を提案できるようになりました。
  • 人とかかわりながらも、自分の好きなことや得意なことを伸ばすことが未来を開いていくのだと信じています。
  • また今後、少しでも早く、私の得られた環境が幸運によるものではなく、だれもが当たり前に得られるものになれば良いなと思っています。

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