2003

「港区とNPOとの協働のあり方懇談会」の報告

EDGEの藤堂理事が座長を務めました表記の懇談会が最終のまとめを作成しました。
この懇談会は昨年11月から港区内に事務所を置くNPOとNPO活動に興味のある区民、在勤者等でNPOの活動の現況や課題の把握、また区とNPO都の協働のあり方について検討をすることを目的として、設置されました。
13回の会合を経て、当初考えていたように一つの方向性を打ち出すまでには至りませんでしたが、資料や調査、グループ討議、ケーススタディー等を通して区 民が描いているNPO観、行政の理解度、NPOの成熟度などの差異がずいぶん浮き彫りになりました。
これらの会合こそが協働の第一歩になったといえましょう。
まとめとして、二つの課題が特に重要な課題として挙げられました。


1)協議会の設置・運営:NPOを取り巻く種々の課題を個別的に捉えるのではなく、包括的・全体的な課題として集約し、課題を解決していく場として、NPO、市民活動団体、区民、行政で校正される協議機関が必要であると思われる。

2)情報交流の促進:NPOに関する情報を一元的に集約すると共に、提供する機能(情報センター)の整備が必要と思われる。

港区では区職員によるNPOが設立されNPOと行政の窓口、NPOの活動の応援、ニーズの把握、支援の仕組みの検討、行政へのアドバイス等の活動を行って います。また、廃校となった中学校の校舎を暫定的に活用して「みなとNPOハウス」を活動の場の提供しています。
15年度にはみなとパートナーズ基金を設立し、これを元にNPO活動助成事業を実施しています。

その中の一つの事業が特別支援教育に関わるボランティア講座の開催です。あわせて4回の講座の第一回目が先日催されました。このような実践を積み重ねなが ら、一つ一つのケースから学んでよりよい行政とNPOの協働を通して、区民に還元できるようになることを目指します。
文責:藤堂栄子

千葉黎明高等学校 教職員向け研修会
「読む・書く・推論するのが困難なディスレクシア~教室の中の気になる子供たち」
12月8日(月)、千葉県八街市の私立黎明高等学校にてLD疑似体験と講演をおこないました。黎明高等学校は、ニュ-スレタ-やメルマガなどでご紹介している根本先生がいらっしゃる高校です。先生がよく「実に純朴な生徒達で」とおっしゃっていた通りの学校でした。広い敷地の中に広大なグランドはもちろん、幾つものビニ-ルハウスや公開講座用の園芸に使われる場所、昔は松林に囲まれていた古い講堂もあります。今はマツクイムシの為に松はありませんが、講堂は設計図のない時代に日本の大工さんが作った建物だそうです。そして、悲願の全国優勝を果たしたアーチェリー部が鍛錬する練習場。よくあんなに遠くの小さな的に当てることが出来ると感心しました。ア-チェリ-は、11月にある文化祭で体験することができます。

講演会は市の教育委員会や公立中学の先生方も参加して下さいました。いつも壇上にいらっしゃる先生方が生徒の側に座り、LD疑似体験に真剣に取り組んで下さいました。感謝いたします。出来た時の優越感や自分ひとりが出来ないという焦りがスタッフ側へもすぐに伝わってきました。子供達の気持ちを理解すること、簡単なようで私たち大人はつい忘れてしまいがちです。教師だけでなく、親でも相手のことを理解するという、頭では分かっている事も、いつも実行することは難しいことです。子供同士の思いやりの心を大人も持ちつづけていきたいものです。石田博彰講師の疑似体験と藤堂理事の講演、これからも全国の方々に聞いていただきたいと思います。

文責:堀口順子

子育て講演会のご報告
12 月3日、千葉県市原市立清水谷小学校で、「読む、書く、記憶するのが困難な子供たちへの理解を求めて」と題して「講座」を開きました。清水谷小学校は、生徒数、600数十名、開校十周年にあたります。東京育ちのエッジスタッフは、異口同音に「校庭が広い~、いいなあ~」と言い、感激していました。なかなかモダンな校門を入ると、PTAの方たちの丁寧なお出迎えをいただきました。この日は水曜で、しかも朝から肌寒かったにもかかわらず、150名もの参加者で、関心の高さに驚かされました。また、男性の方も数名まじっていて、このような会での男性の少なさと、ウィークデイだったことを考えて、感心いたしました。

講座の内容は、「LD疑似体験」のうち、”視覚に関する体験””聴覚に関する体験”を中心に進められました。場所が体育館だったこともあって、録音されたテープの中の「先生の指示」を聞き取らなければならない体験は、後ろの席の人たちは、物理的に聞き取りづらかったかもしれません。
参加者数や実施する場所などを、どう考慮してなにを準備したらよいか、あらたな「課題」をみつけました。

「疑似体験」のあと、小休憩を挟んで、”個人、個人の特性を知った上での勉強スタイル”の話しがあり、ADHDの子どもへの理解、という視点も盛り込まれて、終了したのは、12時半過ぎになってしまいました。また、個人的な質問で、終了後も残った方が数名いらっしゃいました。
子どもたちを育てていくうえでの問題は、LD,ディスレクシアに限ることができないので、質問も多岐にわたります。適切な回答ができるよう、エッジスタッフも、研鑽を続ける必要性を感じましたし、”手ごたえ”も大きなものでした。清水谷小学校の高石校長先生はじめ、準備を進めてくださったPTAの皆様、小学校とエッジとの橋渡し役、当日の送り迎えまでしていただいた、黎明高校の根本先生、ありがとうございました。この場を借りて、お礼申し上げます。

子どもNPOフォーラム2003 子どもをみんなで育てよう!
子どもNPOフォーラム2003 子どもをみんなで育てよう!
~子どもも おとなも 手をつなぎ 育ちあおう 社会を変えよう~
10月18日(土)/19日(日)

参加報告:
みなとNPOハウスにて開催された「子どもNPOフォーラム2003」にEDGEも参加しました。
LD(学習障害)の子供達がどんなに困っているのかを、理解して頂くための

疑似体験ワークショップを2回行いました。2回とも7名ずつの参加者でした。
熱心な方ばかりで、疑似体験が終わった後、色々な質問や感想がだされEDGEスタッフとの和やかな懇談の場となりました。

第2回LD/DX入門講座 報告 7月19日(土)開催
今回で2回目となったLD/DX入門講座は群馬県からの参加者も含めて5名でスタートしました。
長田会長の挨拶の後、午前中は石田博彰さん(米国でLDや障害児教育を学び帰国。
現EDGEスタッフ。)による「LD疑似体験」と「LD/DX概論」が進められました。
「LD疑似体験」はもはや入門講座には欠かせないプログラムで、石田さんのご自身のLD体験をベースにして構築された新作(?)「LD疑似体験」が用意され、参加者だけでなくスタッフも巻き込んでの「LD疑似体験」となりました。「LD疑似体験」はLDの子供たちが何をどんな風に受け止めてストレスとなっているのかということを体験し、そのストレスをやわらげるためのヒントや助言の必要性を理解するきっかけとなるもので、お父さん、お母さんばかりではなく教育に関係する全ての方々に体験し考えてもらいたいプログラムです。
毎回、石田さんが新作を用意してくれていますので我々スタッフも楽しみにしている部分でもあります。半分ワクワク、半分ドキドキのLD疑似体験でした。
また、「LD/DX概論」では「身近に出来る工夫」という視点で勉強をしました。
学習のスタイルには「視覚(ビジュアル)系」「聴覚(オーディトリー)系」「触覚/運動感覚(キネスセティック)系」などがあり、各個人のスタイルにあった学習方法を進めることや、環境を整えてあげること、または、ほんのちょっとの工夫で読み書き困難を自分なりに克服していくのかもしれないと述べられました。
少なくともLD/DXの子供たちの周りにいる大人たちがほんの少しでも配慮できれば、ずいぶん違う教育環境が出来上がるのかもしれません。

お昼をはさんで午後は「協力者を増やす」というテーマで、日常生活の多くの時間を過ごす「学校」との関わりについてそれぞれ参加者の体験をもとに考えてみました。
学校の中ではちょっと手のかかる子供という存在とされる場合が多く、保護者の願いと学校の対応がすれ違うことが多々あります。
その結果、学校との関係ばかりではなく本人の学校生活にも大きな不都合が生じることになる場合もあります。EDGEのスタッフによる体験談や実際に今取り組んでいる参加者をはじめ、学校の現場からの話や現在大学生のDX本人の気持ちや考えなども活発に飛び交いました。
午後のティータイムにはガラッと雰囲気を変えて、前回も参加してくださいました野口さんによる「アロマテラピー講座」が開かれました。アロマテラピーの基礎的なお話から特に発達障害で起こりやすい症状に有益ではないかと考えられる心に対する働きをもつエッセンシャルオイルを紹介していただき、素敵な香りが部屋中にひろがった豊かな時間を過ごさせていただきました。どうやら香りには不思議な力があるようです。

一杯のハーブティーと手作りクッキー(地元麻布の障害者施設で焼かれた、とてもおいしくて心のこもったクッキーです。)をいただいて、本日の最後のメニュー「フリートーキング」となりましたが、このあたりになるといつの間にか今回初めて参加していただいた方もずいぶん昔からの知り合いのような感じがしてくるから不思議です。
参加者の皆さんはもっともっと話したいことや聞きたいことがあったようですが、あっという間に時間がやってきてしまいました。
参加者の皆さんのアンケートによると「当日のプログラムを見た瞬間は長くてチョット引いてしまい、参加することを迷うぐらいでしたが、参加してみたらあっという間の一日でした。
まだまだ話したりないくらいです。次も参加したいと思っています。」ということでした。
参加者の皆さん、ご参加ありがとうございました。多くのことを勉強させていただきました。
行き届かなかったところも多々あろうかと思いますが、今後もこのような日々の生活の中でLDやDXの子供たちとその保護者の支えとなれるような居心地のいい場を作っていきたいと考えています。それが一人でも多くの人の幸せにつながることを祈って…(根本明彦)

「LD/DX入門講座」開講 その1)稲川、長田、対話編
「LD/DX入門講座」が初開講というのに、前日のTVの天気予報は、5月には、珍しい台風の接近を告げていました。
怪しげな空模様の中、はるばる来られた方々の前で、きょうは、初めての講座です。
稲川さんと私(長田)とは、「LD/DXの子どもを育てて・・家族として」のタイトルで、それぞれの子育て経験をご披露することに、なりました。稲川さんの息子さんは現在

32才、私の息子は24才です。何日か前に二人でリハーサルしたのですが、その時の“笑い”もあふれた雰囲気が、果たしてでるでしょうか?

話は、それぞれの子どもの、幼少時、小中高時代、それ以降、というように成長の過程を追って交互に話そうということになっていました。まずは、大先輩、稲川さんからです。
彼女からは、息子さんは、幼少時、非常な多動で追いかけるのに大変だったこと、夜驚症で、睡眠中に突然起き上がって動き回ることもあったこと、発語が遅かったことなど、いくつもあったことが語られました。
一方、私のほうは、多動の対極にある“寡動”な子どもだったこと、男の子なのに、かすり傷さえ一度もなく、何事も行動が鈍く、「集団行動」からいつも外れていたことなどを語りました。夜驚症ではなかったけれど、なかなか寝ないで、すぐ目覚める子だったことは、後になってそれが「睡眠障害」に近いもので。

9歳の時発症した「トゥレット症」(難治性のチック症)とも関連ある症状だと、知りました。
現在LDとADHDが、一緒に論じられることが多いのですが、実は「多動と寡動」は、現れ方は違っていても「同じカテゴリー」に入る、といういことまでは、なかなか知られていません。

さて、肝心な「読字、書字の問題」では、両者の小学校時代のノートを見れば、一目瞭然、似たような「書字の混乱ぶり」に、改めて「これじゃあ、子どもたちは、辛いだろう・・」
と感じました。幼少時からの「この子は、ちょっと?」という漠とした母親の“ひっかかり”は、案外あたっているものです。もちろん、「読み、書き」を早く習得するのがベターといった現代の教育風土の中では、母親の“不安”は、ますます煽られます。

ただし、小学校時代は、稲川さんはアメリカ、一方長田は日本(埼玉県)と、受けた学校教育が全く違うのです。稲川さんはアメリカで既に「LD/DX」と診断され、それを受け入れていらっしゃったし、私のほうは、3月生まれの息子を、「早生まれなもので・・」と3年生くらいまで、言い続けて来ました。

稲川さんには、キチンとした「診断」がありましたが、長田の場合は、トゥレット症で、通っていた小児神経科でのCTスキャンで、脳内の微細な異常が見つかりました。
LDが、微細脳障害(MBD)と言われていたのですから、それには、該当します。

両者共に、辛かったのは中学高校時代。稲川さんは、ご家族で帰国することになり、息子さんにアメリカでそのまま「LD教育」を受けさせたい、しかし、そのため彼が一人家族と離れてアメリカに残るのはどんなものか・・と悩まれ私は、中学からフリースクールへ・・という決断をせざるを得ませんでした。

「家族一緒に帰国」を決断された稲川さんにとっても、「フリースクール」を選択した長田にとっても、それは“悪戦苦闘”の連続ではありましたが、最終的には、本人の一大決意の下に“単身渡米”。稲川さんの息子さんは、テニスのインストラクターとして、ニューヨークで暮らし、現在では一児の父親。私の息子は、ボストンのバークリー音楽院で、ジャズを学んでいます。

家族として、母親として、稲川さんと長田との間で共通点があるなら、それは「お母さんは、元気、のん気、根気、そして、時どき勇気」ということでした。

聞いてくださった皆さんが、このメッセージをどう、受け止めてくださったか・・。アメリカへ渡ったとか、どこそこ大学へ行ったということよりも、もっと大切な「子どもへの眼差し」を受け止めていただけたのなら、とても幸いです。                      
リハーサルの時のように、“笑い”が入る余裕がなかったのは、ちょっと残念でした
が、波乱万丈?の体験談の後は根本先生の素敵なハーブティーの時間。

ほんとに、おいしくいただきました。

概論と疑似体験に関しては
☆ その2 “石田 博彰さんが語る LD/DX概論” をお楽しみに


「LD/DX入門講座」開講 その2)LD/DX概論
今回このお話しを頂いて「LD/DX概論」と聞いたとき正直どうしたものか?と悩みました。
何故なら、文部科学省のホームページや各自治体のホームページを見れば、LDの定義、取り組み、対処の仕方など、今ならどこでも、そしてどこからでも情報があるからです。
紀伊国屋、有隣堂、丸善と大きな本屋さんへも行ってみました。
LD関連の本が棚に何百冊もありました。文献のように難しくかかれている本、読み易く簡単に書かれている本もありました。
 今度は「ディスレクシア」とヤフーで検索してみました。検索結果は1件のみ。
エッジ‐発達性読み書き障害、ディスレクシアへの正しい知識の普及、教育的支援等の紹介と出ていました。クリックしてエッジのホームページを開き見てみると、Dyslexia・・・「ディスレクシア」について詳細に書かれています。医学的には「失読症」ともあるし、診断方法もある。ディスレクシアで有名な人も出ているし、アメリカのLD事情も出ている。
参加する人は何を求めてくるのだろう? 何が知りたいのだろう? 
持ち時間はLD疑似体験を入れて2時間15分。長いようで短い。
でもこの時間を使ってなるべく多くのこと、そして他では得られないモノを持って帰って欲しいと思いました。大学でLDを専門に勉強した知識とリソール・ルームとLDセルフ・コンテイン(集中教室)の教諭として得た経験からくる何かを参加者とシェアしたい。

依頼を受けた講義の趣旨は、確かにLD/DXの概論。
けれども、それ以前にもっと大切で且つ忘れがちなことを参加者に知ってもらった方が良いのではないだろうか。悩みに悩み考えた末、LDやDXが…にはあまり触れず、個々の学習するスタイル『学習スタイル』について話しをすることにした。
人は見た目や性格がそれぞれ違うように、学習するスタイル『学習スタイル』にも違いがあります。
例えば、何かを覚えるとき、皆さんならどんな方法を取りますか? 
何度も書いたりしますか?それについて話し合いますか?それとも、どちらでもなく、ただじっと見ていますか?
 学習障害(LD)やディスレクシア(DX)のように、ある特定の機能に困難を抱えながらでも、また別の面では素晴らしい才能や能力を秘めている場合は多々あります。
そのため、学習する、或いは何かをするときに、自身の学習するスタイルを知っておくことは、強みを活かし、弱点を克服するために非常に有効で役に立ちます。
学習スタイルは、視覚、聴覚、そして触覚/運動感覚系の3つに分かれます。
相手の身振りや表情から話している内容を理解する。
また、図形・OHP・ビデオ・フリップチャートなど映像として見えるものからアイデアを
広げ理解を深めることが得意な「視覚学習」タイプ。
講義や講演のとき、視界を遮られないように前に座ることが多い方たちで、講義やミーティングの最中は、情報をもらさず詳細に書き取る傾向があります。
人が話している言葉を聞くことによって理解することが得意なタイプの人は聴覚学習が得意なタイプです。音、ピッチ、速度、ニュアンスを聞き取ることによって、スピーチの根本的な意味を解釈します。耳で聞くと理解できることも、文書として書かれていると意味がよくわからないこともあります。
このタイプの人は、テキストを読んだり、テープレコーダーを使うことで、理解したり覚えたりすることが上手くできるようになります。
触覚/運動感覚系の学習スタイルの人は、周囲の物などに手を触れたり、実際に調べたりすることによって学びます。
長い間じっとすわっていることが難しいことがあり、体を動かしたくなることも多々あり、何かに興味を惹かれて調べずにはいられなくなってしまいます。
 得てして勉強となると、教科書を開いてノートに書いて、参考書で調べて問題集を解くとなりがちですが、それはお子さんの学習スタイルを無視することにつながりかねません。あたりまえだと思っているアとが実はそうではなかったりします。
困っているときだからこそ、ここは制限せず、時間はゆっくりと、そして一緒にもっと頑張ってみてはいかがですか。

英国イートン・カレッジ聖歌隊 チャリティコンサートご報告
前号で、ご案内いたしました英国イートン・カレッジ聖歌隊チャリティコンサートが盛況に終了いたしました。

当日は、小雨の中大勢の方々が開場前から並んでおり驚きましたが歌声を聞き、熱心なファンの方も多いということになるほどと納得しました。
「赤トンボ」や「荒城の月」などの日本の曲も、美しい歌声で披露してくれました。

エッジを通して、チケットを購入していただきましたみなさまには誠にありがとうございました。紙面を借りてお礼を申し上げます。

3月29日(土)LD/ADHD 公開講座
3月29日(土):茨城県県南生涯学習センターにおいて

LD/ADHD 公開講座 (つまづきがちな子どもたちへの理解と支援)
      ~一人一人に異なる、子どもたちの可能性を伸ばす~

250名のADHDの学生の話とディスレクシアの学生のビデオによるインタビュー、藤堂会長の話で小学校時代のADHDとディスレクシアの様子、英国のサポートを通して、制度やシステムを変えるなどの大げさなことをしなくても環境を少し変えるだけで事態が好転するという話が出ました。

イアン・スマイズ博士 再来日
国際ディスレクシアコンサルタントのイアン・スマイズ博士が3月9日から15日まで来日され、精力的に日本の研究者、教師、専門家と会い日本を踏まえたスクリーニング、教授法などの実践的なディスレクシアへの対応をエッジのメンバーと研究しました。

3月10 日:広島大学 山田純先生 間違いやすい漢字

3月10 日:大阪 YMCA 西岡由香先生 テストについて

3月12 日:1時から六本木エッジ事務局
      6時から宇野彰先生 意見交換

3月13日:文科省 柘植専門官 訪問
     表敬 13時から18時 ワークショップ EDGE

3月15日:場所/西武池袋線「ひばりが丘」、和食レストラン「るたん」
     時間/12時~14時 教授法

3月15日 6時より六本木エッジ事務局にて  今後の展望、課題

講演会 教室の中の気になる子ども達
~LD疑似体験プログラム~ ご報告

3月15日(土)に「教室の中の気になる子ども達」と題して、大田区文化の森に於いて、藤堂会長が講演致しました。LD疑似体験を間に挟み英国の教育支援の話を致しました。
当日は雨にもかかわらず飛び入りの方も多く参加され、講演が終わったあとでいろいろな方々から、熱心な質問がございました。
また、参加者の方から、次回の講演依頼を受けました。

NPO・EDGE 第二回 総会 ご報告
2月22日(土)NPO・EDGE 第二回総会が、みなとNPOハウス4階大会議室において行われました。総会の次第ならびに、決議事項のご報告を致します。

<議題>
●平成14年度活動報告
●平成14年度収支報告
●平成15年度事業計画
●平成15年度収支予算
●役員(会長・副会長・理事・監事)選任
●定款変更
   会員を「正会員」及び「賛助会員」とする
  ・正会員(議決権あり)
   入会金5000円 年会費6000円

  ・賛助会員(議決権なし)
  ・法人としてEDGEの活動を応援していただける方
   1口2万円:1口以上

  ・活動には参加いただけないが、カンパ等で応援いただける方
   1口2千円:おこころざしで何口でも

二部の懇親会では、軽食をとりながらこれまでのEDGEの活動記録や今後の事業計画などを映像で観ていただきました。会員の方だけでなく、一般の方々も参加して頂き、親睦・交流の場になりました。
とても、和やかな雰囲気の中、総会、懇親会と盛会に終了致しました。


バンガー大学ニック・エリス博士との勉強会
2003年1月21日バンガー大学ニック・ニックエリス博士と勉強会
場所:EDGE事務局
参加者:EDGE幹部
内容:
ニック・エリスさんはバンガー大学心理学部で外国語の習得について研修をしておられます。今回、研究休暇で来日中のところをお時間を頂き有名なバンガー大学のディスレクシアのアセスメントの考え方などについて教えていただくとともに、エリスさんの研究対象である英語と日本語のディスレクシアの違いについてこちら側から経験則に基づいた意見交換を致しました。

1960年代からディスレクシア研究の草分け的存在のティム・マイルス博士が色々な研究者の論を臨床的に検証していきました。ディスレクシアは知能の遅れではなく、平均またはそれ以上の知能を持ちながら読み書きの特定分野に遅れがある症状を示すという見地から研究を今でも続けています。

心理学部にはディスレクシアに関する5つのユニットがあります。
ユニットとは学部生のいない研究者グループのことを示します。

1. ディスレクシア研究
2. 教授法
3. 教員の訓練
4. 地域のディスレクシア児への支援
5. 大学にいるディスレクシアの学生に対する支援

財源

* 地方自治体より1)DX児に対する支援2)教員の訓練に対しての補助金が交付されています
* ユニット内のプログラマーが開発したディスレクシア児用の教育ソフト販売
* ディスレクシア大学生の支援(有料)
* 親からの依頼によるDX児のアセスメント

<バンガー方式アセスメント>

ディスレクシアは読み書きの問題ではあるがそのほかに特有な症状がいくつかあり、それらを含む症候群として捕らえてのアセスメントを実施している。

ティム・マイルス博士はイギリスでもディスレクシアが知られていなかった頃研究書を紐解きそこに出てくる諸症状を見極めるためにはどのようなテストが一番簡単でムラがなく答えが出るかという観点からアセスメントテストを臨床的に積み上げていきました。それが今日バンガー方式と呼ばれているアセスメントです。
例えば

* 左右の違いがわからない=「あなたの左手で私の右耳を指して下さい」
* 短期記憶が悪い=数唱、逆唱
* 想起が遅い=ラピッド・ネーミング
* 順序だて=曜日を逆に(英語だとJanuary,Febuary…)


一見脈絡がないように見えるテストですが上記のような経緯と意味があるそうです。
日本では広島大学の山田純先生が一部を日本語に訳されています。

<英語のディスレクシア>

ディスレクシアは読み書きに関する困難さですから、使用している言語や文字で発現の仕方が変わるはずです。英語の場合は26だけのアルファベットの組み合わせで実に多くの発音をこれまた実に多くのスペルで表しています。
そういうことがあるので発見もしやすい環境にあるといわれています。

バンガー大学で行った興味深い研究がありますのでお知らせいたします。
60名の子どもを5歳から毎年一回8歳になるまで計四回、50問の質問を継続していった結果の調査です。50問は知能テストのほか読み書き、聴覚認知、視覚認知、短期記憶、運動コーディネーションなどの設問が含まれました。

子ども達は最終的に三つのグループに分けられました。(それぞれ8名)
1)IQ120以上 読みが実年齢より二歳以上進んでいる
2)IQ90以下 読みが実年齢より一歳以上遅れている
3)IQ116以上 読みが実年齢の平均よりも遅れている

4年間のデータを見ると1)と2)のグループ間では全ての設問で
明らかな差が見られました(専門用語では有意差と呼ぶそうですが)
1)と3)のグループでは10数問で明らかな差が見られました。

この10数問がディスレクシアの見極めに役立つ設問であろうということです。

そして、それらは読み書きに関する設問とバンガー方式のアセスメントテストバテリーと一致したのです。

英語の場合はプレディクターはフォノロジカル・アウェアネスであることがでてきました。

それでは日本語ではどうなのか?というのがこれからの私達の課題なのです。
これについては2003年1月22日(水)の議事録をご覧下さい。

<コンピュータによるディスレクシア診断>

ウェールス地方はバンガー大学があるのですが、一般的にディスレクシアの診断が出来る
教育心理士や教師が少ないので昨年9月に来日したイアン・スマイス博士の提唱するコンピュータによるディスレクシア診断を地方自治体と協働で進めています。コンピュータによるテストによってムラの無いデータが取れるようになります。

また言語が変わっても言語に関わる部分だけを変更していくことでアセスメントをしながらデータが取れ研究にも役立つメリットがあります。

<日本語のディスレクシア>

最後に逆にエリスさんからの質問がありました。日本語の場合かなと漢字がありその習得はディスレクシアの場合どのような感じですか?というものです。

* 日本の場合あまり音読を高学年になってもさせない
* かなが一音に対応しているのでカナ一文字では見分けられない
* カタカナを羅列したときに初めて正確さよりもスピードで解る(山田純先生の資料)
* 漢字になると読みが複雑で規則性が無いので困難
* 書くことになるとほとんどの人がディスレクシアでは無いかといわれるほど最近は特にワープロの発達で正確に書ける人が減少している
* 漢字を何百回書いても覚えないことがあるが難しい字でもイメージを捕らえ易いもの(薔薇、麒麟)は読むことが出来る
* 小説などの読み取りに関しては総じて普通よりも進んでいる。これは漢字を塊として意味を取り、自分でイメージを創って理解しているように見える。


というような意見が出ました。