MOOC

ディスレクシアをはじめとする読み書きの困難がある子どもたちへの学習支援
Supporting children with difficulties in reading and writing

コースへの登録

本コースはロンドン大学が提供しているもので、英国などで大学の授業を受けるのと同程度の英語力が必要です。

日本で受講する方たちのためにビデオのスクリプトなどを日本語に翻訳してまとめてPDFにて無償で提供いたします。
日本語のPDFをご希望の方はこちらからフォームから登録のお申し込みをしてください。その上でコース自体にはご自分でお申し込みください。
こちらからお申し込みになった方たちにはこちらから日本語翻訳やサイトの使い勝手についてのアンケートへのご協力をお願いすることがあります。
ピアレビューなどに関しては、情報交換を日本語でできる場を構築していく予定です。
また、コースの内容に即したワークショップなども企画してまいります。


コースの説明

無料で世界レベルの講座が受けられます。3万人以上の教員がこのコースを受けています。
このコースは教員の方たちや指導者に児童生徒がどうして読み書きに困難を見せるのかを学び、最新の科学的な見地をもとに読解を指導するのに最適な方法を学ぶことができます。ただし、このコースを終了してもロンドン大学の単位が取れるわけではありません。

ジェニー・トムソン博士によるコースの簡単な説明のビデオ

コースは、ロンドン大学教育研究所とディスレクシアインターナショナルによって開発されました。
https://www.coursera.org/learn/dyslexia-difficulties/lecture/QNZ8z/introductory-video
「ディスレクシアの指導法は特別難しいことではない。授業のペースを調整したり、時に戻ったりして理解のギャップを埋めること、視覚だけでなく聴覚など多感的なアプローチを取ること、子どもに成功体験を積ませることが重要。オンラインコースの目的は、受講を通して教員にディスレクシアの指導への自信をもってもらうことだ」と説明しました。

Dyslexia international

世界中の教室でリテラシーができるだけ効果的に教えられるように、最新の科学的研究を具体化する教員養成プログラムを提供する非営利団体です。

London University, UCL institute of education

インスティチュート・オブ・エデュケーションは、ロンドン大学を構成するカレッジのひとつで、教育に関する分野の大学院レベルの学習と研究を専門としている。「ロンドン大学教育研究所」

コースの活用例

コースは英語ですがディスレクシアをはじめとする読み書きが困難な児童生徒への気づき、指導法や支援法などは言語を超えて適用できます。英語の導入には特に役立つと思います。テキストを現在日本語で準備をしています。
アメリカではオバマ大統領がすべての教師は学ぶべきコースとして推奨しました。現在ブラジル語、中国語などにテキストが訳されています。

受講生の感想

コース修了者の感想(海外)

  • 担当する子どものことがよくわかり、指導しやすくなって、子どもが自信をもって教科に取り組むようになった
  • 生徒が音で聞いてから課題に取り組むようにしただけで、理解が進み、態度にも変化が見えました
  • いろいろな角度から読み書きの困難さとその支援法が学べたおかげでクラスのいろいろな生徒が学ぶ機会が増えました
  • 本を読むことを嫌がっていた生徒が、次はどの本を読もうかと楽しみにするようになりました

教材

Courseraのコースのビデオのスクリプトなどを日本語訳しました。本ページ一番上のコースの登録からお申し込みください。

エッジでのワークショップ

後日このページにて紹介いたします。

カリキュラム

単元1

シラバス
概要
書きのシステム
読みを習得するモデル('デコーディング'と'ダイレクト'な方法)
自動化(オートマティゼーション)の重要さ
バイリンガリズム
学習成果
単元1の終わりまでに、以下ができるようになります
  • 読み書き困難の発生率のおおよその数値が出せる。
  • 英語でどのような書きのシステムが使われているかを述べることができる。
  • 読みの発達における最も重要となる2つの経路を述べ、理解する。
  • 何故自動化(automatization )が重要なのかを理解する。
  • 母国語ではない言語での読み書き学習におけるバイリンガリズムの影響の良さを理解する。

単元2

シラバス
定義と原因
原因; 特定; 簡単な所見方法等(正式な診断とは異なる)を含む数々のアクティビティー
学習成果
単元2の終わりまでに、以下ができるようになります
  • ディスレクシアの定義を提示でき、いくつかのディスが付く仲間の「合併症」をあげられる
  • 読みの困難さについて考慮するにあたり、3つのレベルで評価ができる
  • 書記素と音素を定義できる
  • アルファベットの原理が定義できる
  • 脳が読みを通じて読むことを自分で学ぶ方法を説明できる
  • 音韻と音素の認識の違いを例をあげて言え、どのようにして両方に簡単なアセスメントを組むかを知る
  • ディスレクシアの「リスク要素」という言葉を使用できる
  • 就学前に観察できるいくつかのリスク要素をあげることができる
  • 小学校で読みの学習を始めた際に時としてみられる特徴をあげられる
  • 学年が上がってからアセスメントに関連しての複雑さについて論議できる

単元3

シラバス
「併存症」と心理的・社会的側面
"ディス"と付くグループ(ディスプラクシア、ディスカリキュリア等);聴覚;視覚;自信喪失;学校中退の長期的な影響;反社会的行動 ― カナダでの実例;ディスレクシアのプラスな面と秀でた才能;子どもをラベリングすることに対する賛否の議論
学習の成果
単元3の終わりまでに、以下ができるようになります。
  • 聴覚をめぐる主要な問題を正しく認識する。
  • 視覚をめぐる主要な問題を正しく認識する。
  • 注意力の役割を正しく認識する。
  • ディスレクシアの子どもと成人がどれだけ苦しんでいるかを理解する。
  • ディスレクシアの子どもへの「レッテル貼り」について、自分の意見を持つ。
  • ディスレクシアの人の強みを述べる。

単元4

シラバス(単元4・5):
実践的指導法 パート1、2
"インクルーシブ"という原則(一般的な);構成化されたアプローチ、多感覚、フォニックベースやメタ認知を使ったアプローチ;ベルギー、フランス、英国、アメリカのベストプラクティスの近況インパクトレポートの要約;アプローチの応用;学習スタイル;読み、スペリング、理解、構成;ビジュアライゼーションとマインドマップ
学習の成果
単元4の終わりまでに、以下ができるようになります
  • インクルージョンの重要性を正当だと説明する。
  • どのような「体系」がなぜ重要なのかを述べる。
  • 音声を基礎にしたフォニックスメソッドの優位性の証拠を挙げる。
  • 音声指導に反応しない子どもたちを、個人プロファイルを作成して支援する。
  • 「メタ認知(metacognition)」とは何かを説明する。
  • ディスプラクシアの兆候をいくつか挙げる。
  • 音声言語発達障害の兆候をいくつか挙げる。
  • ディスレクシアの子どもに科学を教えることの問題点を考える。

単元5

シラバス(単元4・5):
実践的指導法 パート1、2
"インクルーシブ"という原則(一般的な);構成化されたアプローチ、多感覚、フォニックベースやメタ認知を使ったアプローチ;ベルギー、フランス、英国、アメリカのベストプラクティスの近況インパクトレポートの要約;アプローチの応用;学習スタイル;読み、スペリング、理解、構成;ビジュアライゼーションとマインドマップ
学習の成果
単元5の終わりまでに、以下ができるようになります
  • 説明された4つの多感覚の教授法のルートを言う。
  • 音韻に関する認識評価の8つの方法(生成、代替等)のうち1つを試すレッスン計画を考案する。
  • 具体的なGPC -grapheme-Phoneme Correspondence(音素と書記素の対応)を教えるレッスン計画を考案する。
  • 児童の理解を補助する方法が分かる。
  • 児童の作文を補助する方法が分かる。

単元6

シラバス
勉強のスキル、補助器具、調整
注意、記憶やオーガナイゼーション; 技術サポート(特に読み書き用);正式なアセスメントと検査においてどのように便宜を図るかの例
学習の成果
単元6の終わりまでに、以下ができるようになります。
  • どういった補助器具が役に立つかを慎重に考えて選ぶ。
  • 選択した補助器具の効果を最大化するには子どもとどう取り組めばよいかが分かり、その補助器具を学校中で用いる。
  • 例えば、準備しているテキストの文字スペースの変更方法などを自分自身が理解する。
  • マインドマップを作成することで、「サポート」のさまざまな要素からなるイメージ図を作り出す。
  • あるべき適応の姿と自国での実状を理解する。

講師紹介

ジェニー・トムソン博士、学士(医学)、PhD、MRCSLT  LINK

コミュニケーション科学学部 英国、シェフィールド大学

私が本学部に加わったのは2013 年です。スピーチおよび言語セラピストとして訓練を受けました。
主な臨床研究分野は、言語と読み書き能力の困難間の交差です。ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの小児健康研究所(インスティテュート・オブ・チャイルドヘルス)において、神経科学的および行動的測定方法の双方を用いて発達性ディスレクシアの因果メカニズムを研究し、博士課程を修了しました。その後、ケンブリッジ大学で博士研究員として発達性ディスレクシアに関する研究を継続し(2004 年~2006 年)、さらにハーバード大学教育大学院で助手、助教授を務めていました(2006 年~2013 年)。現在の専門分野は、主にデジタルテキストがリーディングの発達に及ぼす影響とリーディングの問題に関するリスクです。
2009 年にはディスレクシア・インターナショナルから依頼を受け、英語圏の国々におけるベストプラクティスについての研究プロジェクトを実施し、その研究結果を2010 年にパリで開催されたユネスコの第1 回世界ディスレクシアフォーラムで発表しました。また、当該の研究のフォローアップを2014年にブラジルで開催された第2 回目のフォーラムで発表しました。

共同インストラクター

ヴィンセント・ゲトリー博士  LINK

ベルギーおよびカナダで教育を受け、フランス語、オランダ語、英語を話す。
ゲトリー博士はブリュッセル自由大学にて心理科学の学士、修士学位を取得しました。第二言語で教育を受けるバイリンガル児童の読み書きの発達に関して博士号を取得しています。
その後、カナダ、バンクーバーに所在するブリティッシュコロンビア大学において研究活動を行っていました。研究対象は、フランス語と英語のバイリンガルコンテキストにおける読み書きです。同時に、ベルギーのフランス語共同体政府によって資金提供を受けたフランス語およびオランダ語のバイリンガルイマージョンプログラムを評価する研究プロジェクトを共同で指導しました。
ベルギー保健省の言語と学習障害に関する科学文献レビューの編集も行いました。その後、ヨーク大学によって認証されている、英国ディスレクシア・アクションのオンラインコースを受講し、ディスレクシアの児童への個別サポートを専門とするに至っています。
科学雑誌では数多くの記事を執筆しており、書籍への寄稿も行っています。
ゲトリー博士はディスレクシア・インターナショナルにおける教員訓練のコンサルタントでもあります。
2009 年には、有志からなるチームと共に、初のフランス語・英語双方でのオンラインコースを監督しました。このコースについて、2010 年にパリで開催されたユネスコの会議でも発表を行っています。また、2014 年第2 回世界ディスレクシアフォーラムにおいてはセミナー開催を指揮しました。
現在、ブリュッセル自由大学およびモンス大学において講義を行う傍ら、プライベートティーチングのクラスも継続しています。

アドバイザリー・チューター

ジェニファー・ドノヴァン

心理学・人間開発学部 英国、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン  教育研究所(インスティテュート・オブ・エデュケーション)

ジェニファーは本学部に2009 年に加わりました。読み書きに困難を抱える学習者の評価とサポートに関する研究を行っており、特別教育およびインクルーシブ教育における修士号とAMBDA(英国ディスレクシア協会会員)を保持しています。現在は、綴り字に困難を抱える児童をサポートするための効果的なアプローチについて調査を行いながら、博士課程の研究を続けています。また、介入に対する反応や、サポートに関する言語的自己評価、エビデンスに基づく教員の訓練と戦略指示についてもさらなる研究対象として関心を持っています。
ディスプラクシア・ファンデーションの教育パネルの一員であり、MA 特別学習障害(失読症)における共同プログラムリーダー、特別学習障害(失読症)の評価に関するモジュール・コーディネーターも務めています。特別学習障害(失読症)の理解に関するモジュールでの講義を行っており、設計と方法論研究のモジュールにも貢献しています。以上に加え、AMBDA のプログラムにおける専門教員の専門訓練部分について、その維持管理の責任を担っています。

アドバイザリー・チューター

ギル・ブラッケンベリー:

心理学・人間開発学部 英国、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン  教育研究所(インスティテュート・オブ・エデュケーション)

ギルは主に学校教員、SEN コーディネーター、特別な学習障害を抱える子どもたちの巡回教師としての広範な経験を有しています。また、特別支援学校での勤務経験もあり、重度の学習障害を抱える子どものための特別ケアユニットを運営していました。心理学および特別ニーズにおける修士号を取得しています。学位取得後から修士課程に至るまでSpLD(失読症)プログラムを開発しており、AMBDA(英国ディスレクシア協会会員)認証も取得しています。
MA およびMTeach の特別学習障害(失読症)における共同プログラムリーダーであり、SEN コーディネーションのナショナルアワードに関するプログラムリーダー、特別教育およびインクルーシブ教育のMA(カイロ)のプログラムリーダーも務めています。さらに、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン教育研究所の心理学・人間開発学部におけるSENJIT(特別教育ニーズの共同イニシアチブトレーニング)のダイレクターでもあります。関心を持っている分野は、読み書きの発達と困難、教員とティーチングアシスタントに対する職場でのトレーニングの影響です。

助成事業

2016年度、2017年度本事業は日本財団の助成事業として行っています。